データ消去作業についてくわしく

データ消去作業についてくわしく

法人事業系PCの処分において、もっとも重要なポイントになる「データ消去」について、少しくわしくお伝えします。
まず「ハードディスク」とは、そもそもどんなものなのかについて振り返り、その「寿命」についてもポイントを押さえます。つづいて「データを消す」とはどういうことなのかについてご説明します。
 

HDDの基本的な仕組み・磁気でデータを記録

ハードディスクは、「ディスク」というからには、記憶メディアの形状は円盤です。この円盤上に同心円状にデータを記録する領域(トラック)が配置されています。レコードやCD、LDのように、らせん状に一本の線としてトラックを配置する方式ではないため、シーケンシャルアクセスよりもランダムアクセスに向いています。
この同心円状の領域は4~8Kバイトの「クラスター」に区切られ、このクラスターがデータを書き込む最少単位になります。大きなデータは複数のクラスターにまたがって書き込まれます。逆に小さなデータでも最低ひとつのクラスターを占拠します。
 
FATでデータを管理
ひとつひとつのデータがどのクラスターにあるかについて、HDDはFAT(File Allocation Table ファイル・アロケーション・テーブル)に記録します。データの住所録です。HDDはデータの読み出しを命令されると、まずFATを見に行き、そこで知った場所にデータを読みに行きます。
 
読み書きするヘッドとディスク面・HDDの「寿命」
高速回転するディスク面と読み書きするヘッドの間のクリアランス(すき間)は非常にせまく、「ジャンボジェット機が地上1メートルを飛行しているようなもの」とたとえられます。このすき間はタバコの煙の粒子より小さく、非常に小さなホコリでもヘッドやディスク面を破壊できます。
ヘッドとディスク面の間には「ライナー」と呼ばれる潤滑層があり、ヘッドが動作する度にこの潤滑層は摩耗します。摩耗し尽くしたときにヘッドがその部位にあるクラスターにアクセスしようとすると、ヘッドとディスク面が衝突する「ヘッドクラッシュ」が起こります。これがHDDの寿命です。
 
ディスクの保磁力にも「寿命」
ディスクはきわめて小さな磁石のN極とS極という磁気の状態によってデジタルデータを記録します。N-Sの状態を書き換えることができる磁石の寿命(保磁力)は、冷蔵庫の扉にくっついているものなど身近に見られる永久磁石よりもはるかに短く、長くても5年程度です。これもHDDの寿命を規定します。
 
デフラグについて
HDDの寿命とは関係ない、ついでの話ですが、PCの安定動作にかかわるポイントですので、「デフラグ」についても簡単に触れておきます。
PCを使っていると、アプリケーションソフトが頻繁にディスク上のデータを書き換えます。それを重ねているうちに、ひとつのまとまったデータを記録するクラスター群がバラバラの場所に散らばってしまうことがあります。これが「断片化・フラグメンテーションfragmentation」と呼ばれる状態です。
その状態がひどくなると、データが事実上破壊されてしまい、エラーを起こしやすくなります。これを防ぐために、バラバラになったデータをもう一度一本の連続したクラスター群につなげてやる作業を行います。これが「デフラグメンテーション defragmentation (デフラグ)」です。デフラグは週に一度くらいは行うべきでしょう。

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